ZIROX Sensoren und Elektronik製のSGM5Tは不活性ガス(N2、Arなど)中の不純物O2を測定する、ジルコニア法を採用した酸素濃度計です。
ジルコニアにカルシアや酸化マグネシウムなどを加え作成した、安定化ジルコニアは固体電解質となります。高温にすると酸素イオンが伝導するため、この両面に多孔質の白金電極を設けると電池となります。ネルンスト式が示す様に、それぞれの電極での酸素分圧が異なると、濃度勾配に応じた起電力が生じるため、これを検知することで酸素濃度が測定される仕組みです。
すなわち片側は大気と接しており、もう片方はサンプルガスと接しているため、両者の全圧が同じ大気圧である前提に立ち、酸素分圧から酸素濃度(vol%)が算出されます。
ジルコニア法を採用した分析計の場合、例えば熱処理炉の様な平衡状態にある還元雰囲気において、酸素がH2Oの様な化合物状態でのみ存在する条件のサンプルでも酸素測定は可能です。ただしネルンスト式が示す平衡条件が通常と変わりますので、発注前にサンプルガスの各成分の濃度を指定する必要があります。サンプルガスが還元性の条件の場合には、最大で10-20ppmまでの低濃度酸素の測定が可能です。
仕様
測定方式 | ジルコニア法 |
測定範囲 | 0.1 ppm~20.6 % |
誤差 | 読み値の 3 % 未満(10 ppm〜20.6 %) 読み値の 5 % 未満(0.1 ppm〜10 ppm) |
サンプル流量 | 7 L/h |
サンプル圧力 | < 10 kPaG ※セルでの圧力変化が 1 kPa 以上の場合、測定値に影響します |
ジルコニアセル温度 | 750 ℃ |
アナログ出力 | 4-20mAまたは0-20mA(0-1Vオプション) |
警報接点出力 | 濃度上下限 2 組、動作異常 1 組 |
重量 | 約 4 kg |
電源 | AC 100 V、50/60 Hz |
寸法 | 32W x 24D x 9H cm |
ZIROX Sensoren und Elektronik製のSS31Hは、ジルコニア法を採用した酸素プローブです。工場排ガスの煙道などに直接取り付けられる様に、プローブ形式でフランジ接続となっています。燃焼プロセスにおける制御用途に最適です。
ジルコニアセルの電圧出力が得られますので、PLC等で酸素濃度に演算してお使い下さい。酸素濃度の直読を希望される場合、演算部と液晶を組み合わせたユニットの販売も行っておりますのでお問い合わせ下さい。
SS27 自動車排ガス測定など
SS27は酸化条件下での微量測定用に開発されました。小型のプローブSS27は制御されたヒーターと統合された一次電子回路を備えており、比較的定コストで高精度となっております。
仕様(例:SS31H)
測定方式 | ジルコニア法 |
測定範囲 | 0.01~20.6 % |
誤差 | 読み値の 5 % 未満 |
サンプル温度 | 0〜800 ℃ |
ジルコニアセル温度 | 700〜800 ℃ ※仕様による |
プローブ長 | 30〜180 cm ※発注時指定 |
重量 | 1〜3.5 kg |
電源 | DC 24V、26 W |
寸法 | 7.5 x 8.0 x 6.0 cm ※ヘッド部分寸法 |
仕様
測定方式 | ジルコニア法 |
測定範囲 | 1.0 x 10-21〜1.0 x 105 Pa (O2 分圧) |
誤差 | 読み値の 5 % 未満 |
サンプル圧力 | 1.0 x 10-5〜1.5 x 105 Pa |
ジルコニアセル温度 | 700 ℃ |
アナログ出力 | 0-20 mA ※セル電圧400mVまたは1,200mVを20mAとして設定可能 |
プローブ長 | 14〜30 cm ※発注時指定 |
重量 | 約 1.5 kg |
電源 | DC 24 V、30 W |
寸法 | 15 x 6.5 x 3.5 cm ※ヘッド部寸法 |